EV充電器マンション・集合住宅 ~「シェア型」と「個別型」どっちがいいの? 編 ~
世界中の自動車メーカーから続々とEVが発売され、街でも頻繁に見かけるようになりました。
先進的デザインや静粛性、ガソリンの1/3~1/4の経済性も大きな魅力ですが、
マンション・アパート・集合住宅にお住いの方には、充電問題が高いハードルとなっていると思います。
毎回、ガソリンスタンドに行くように急速充電しに行くのは時間的にも厳しく、バッテリーの劣化も早めてしまいます。
EV充電の理想は、帰宅して翌日出かける迄の夜間に3Kw普通充電をおこなうことですが、集合住宅にもEV充電器を設置できるのか?
結論は、ほとんどの集合住宅で設置可能ですが、EV充電器設置で一番難しい分野と言えます。
今回は、「シェア型」と「個別型」について詳しく解説いたします。
①シェア型の特徴
シェア型は共有駐車場に充電器を設置し、複数人で順番に利用していきます。
集合住宅で普及している充電器は、ケーブル付普通充電器3Kw・6Kwタイプです。
日産リーフバッテリー容量40kwh・走行距離320Km分を満受電する場合、3kw充電器で14時間、6Kw充電器で7時間です。
仮に共有駐車場に2基設置した場合1日に満充電換算最大リーフ3Kw充電器で4台分、6Kw充電器で6台しか充電できません。
例えば19時に帰宅して充電開始、翌朝4時に充電完了しても直ぐに移動してくれるとは限りません。
あるいは、19時に充電して5時間で完了した場合、深夜0時にわざわざ移動しに行かなければいけなく、とても不便です。
3Kwでも6Kwでも朝~夕方まで充電するケースと夕方~翌朝まで充電するケースと1日満充電2回転が現実的かと思います。
運用方法
① 予約時間まで自分の車庫で待機
② 充電終了後に移動
③ クレジットカードやアプリ等で利用料金を課金する
注意点
・アプリで予約管理しても時間どうりに移動してくれなければ住民同士のトラブルになりかねません。
・アプリや料金課金の為の通信費や決済手数料などが発生します。
2023年EV充電器補助金予備費を利用する場合
ケーブル付き普通充電器の補助金対象は最大2台迄です。
駐車区画9台までなら上限1基
駐車区画10台以上なら上限2基となります。
2023年予備費募集から先着順ではなく、充電器1Kw当りの補助額の安い順番から採択される仕組みに変更されました。
シェア型はKw単価が高いので、募集件数が多くなった場合、不利になります。
※高速道路SAにあるような50Kw急速充電器は30分で最大25kw、走行距離で170Km走行分の充電が可能ですが、導入費用と維持費が高額な為、
集合住宅への設置は採算が合わなく現実的ではありあません。
個別設置型
個別設置型は、各駐車区画にそれぞれEV充電器を設置します。
シェ型と違い充電後に車両を入れ替える手間もありません。
配電工事は、共有部分供給と戸別供給の2種類
共有分電盤の場合
集合住宅の共有分電盤から配電する場合は、3Kw充電器で最大11台、6Kw充電器で最大5基まで、キュービクルやデマンドの必要がありません。
・キュービクルは契約容量が50Kw以上になると必要になる設備のことです。
もしも50Kw以上(高圧契約)になるとキュービクル設置に300万円前後追加になり定期点検など維持費も大きな負担になります。
さらに設置スペースも必要になります。
・デマンドシステムは充電状況に応じて充電量を減らしたり増やしたりして、限られた容量でブレーカーが落ちないようにコントロールしてくれます。
しかし、充電量が少なくなると時間も多く必要になる為、予定時間の数倍かかることもあるので、注意が必要です。
・充電単価は賃貸オーナー様や管理組合様に設定していただきます。
戸別分電盤の場合
マンションやアパートの各部屋の分電盤からEV充電器まで配電しますので、充電電気代は入居者様のお部屋の電気料金と一緒に直接請求されます。
深夜電力割引のある時間帯別料金プランを選ぶことも可能になります。
3kw充電器が11基以上の場合でもキュービクルの必要ないのが大きなメリットです。
ただし、各部屋からの配線が必要な為、部屋と駐車場の組み合わせを変更できないので注意が必要です。
ケーブル付き充電器は駐車区画9台までなら上限1基
駐車区画10台以上なら上限2基となります。
充電コンセントは最大20基迄補助金対象です。
※個別分電盤からの配電は予備費から補助金対象になります。
ケーブル付き普通充電器6KW
EV充電コンセント3Kw
まとめ
2030年代にはガソリン車の規制が始まる予定なので、いずれガソリン車とEVの割合が逆転することでしょう。
利用者が増えた時、EV充電器3Kw・6Kwは、充電時間がかかりますので、集合住宅で3Kw・6Kw充電器のシェアは、車両の入替などを考えると不向きといえます。
時間と電力量に余裕のある夜間充電するのが理想なので、個別設置が利便性も高く良いのではないでしょうか。
部屋数と駐車区画のバランスや今後数十年の維持管理も考慮する必要がありますので、物件ごとに最良の運用も違います。
集合住宅へのEV充電器導入は1基40~150万円と規模も予算も大きくなりますので、補助金がある今のうちに導入するのが賢明でしょう。
商業施設・ホテル等の目的地補助金は予算に達した為、6月12日早期終了いたしました。 マンション・月極駐車場 基礎充電補助金6月27日早期終了!
残念ながらご契約いただいていたのに補助金申請に間に合わなかった多くのお客様にお詫び申し上げます。時期や補助額などは未定ですが、次回、公募開始後、速やかな申請を目指し準備を進めております。
補助金+宣伝設置2023年9月4日~9月15日 既築集合住宅向6億円追加決定!
選定方法も先着順から1Kw当りの補助申請金額の低い順番に選定されます。
申請期間が短く交付決定から工事完了、実績報告までの期間も短いことから残り3社様で締め切らせていただきます。2023年8月30日時点