速報解説 EV充電器補助金2023年8月29日発表分 「充電インフラ整備事業の予備分」令和4年度補正・令和5年度当初予算 

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令和4年度補正・令和5年度当初予算「充電インフラ整備事業の予備分」要点及び変更点の解説

経済産業省管轄  執行団体:NeV次世代自動車振興センター
募集期間:急速 令和5年8月28日~9月3日迄 ・ 普通充電 令和5年9月4日~9月15日迄
急速    :(既存分額90億円)予備費5億円 合計95億円
普通  基礎:(既存分額30億円)予備費6億円 執行残含め9億円分を募集 合計36億円
普通 目的地:(既存分額25億円)予備費19億円 合計43億円

限られた予算で効果的に充電器の整備を進めていく観点から、大きな変更がいくつかありますので注意してください。
急速対象は、高速道路・公道・道の駅で一般向けではありませんので、普通充電(基礎)を中心に解説いたします。



大きな変更点①募集期間と採択方法の変更

期間:前回までは、先着順で不備が無ければ採択されていましたが、今回は、先着順ではなく9月4日13時~9月15日17時迄の応募となります。
方法:オンライン申請「通常交付申請」のみで、「略式交付申請」「マンション等簡易申請」は対象外です。
選定:EV充電設備の出力1Kwに対する補助金申請が少ない順に選定されます。(6Kw未満は定格出力3Kwとして扱います。)

例:補助金予算が1社分の場合
A補助金申請額60万円 ÷ 3Kw  =   1KW当り20万円
B補助金申請額60万円 ÷ 6Kw  =   1KW当り10万円 ではなく3Kwとして計算となり1Kw当り20万円
C補助金申請額45万円 ÷ 3Kw  =   1Kw当り15万円

選定者C 1Kw当り15万円で最安

今回からコスト削減がポイントですが、意識しすぎて安価な材料の使用や工程を省かない注意も必要です。
安価な材料や手抜き工事は、耐久性が弱くなり長期間で見れば割高になりかねません。
品質の良い高耐久の材料と適切な施工をおこなえば、工事部分は30年以上使用可能です。
本体交換は、ケーブル付き充電器で10年前後、コンセントタイプで20年前後使用できます。
長期的使用を想定した設計が重要です。

例)EV充電コンセント
EV充電コンセントの正面写真

例)EV充電器ケーブル付き
斜め前から見たEV充電器ケーブル付きスタンドタイプ

大きな変更点②対象者と上限基数の変更

対象者 :前回対象だった、月極駐車場、会社・工場の社用車用などが除外され、マンション・集合住宅のみに限定されました。
上限基数:「基礎」ケーブル付きは、駐車場収容台数の10%以下、かつ10口以下。
「基礎」コンセントは、駐車場収容台数以下、かつ20口以下。
「目的地」1申請における補助金による設置基数が、2口以下。

例1:マンション駐車場収容台数5台の場合
ケーブル付き上限1基 又は コンセント5基

例2:マンション駐車場収容台数11台の場合
ケーブル付き上限2基 又は コンセント11基

例3:マンション駐車場収容台数19台の場合
ケーブル付き上限2基 又は コンセント19基

例4:マンション駐車場収容台数25台の場合
ケーブル付き上限2基 又は コンセント20基

例5:目的地(ホテル・商業施設等)駐車場収容台数50台
普通充電器2基 ケーブル付き・コンセント 

増設の場合、車両の車検証の添付も必要になる為、将来を見越しての設置は実質的に不可となります。
将来的に増設が必要ないように余裕をもった設計がおすすめです。

EV充電コンセントが駐車場に綺麗に5台並んでいる

※マンションでケーブル付きとコンセントを混ぜることは不可となります。
※目的地はケーブル付きとコンセントの混在可能となります。

令和4年度補正からのケーブル付き上限基数緩和措置が終了したことになります。



大きな変更点③マンション個別ブレーカー工事が対象へ

前回までは、充電器への配線はマンション共有分電盤との接続のみでしたが、
今回は、入居者各部屋の分電盤から接続可能となりました。
これは大いに歓迎する素晴らしい改善です!

 個別改善メリット①:充電集金が不要

今までの共有部分からの配電の場合、アプリ・カード・個別メータなどが必要でしたが、直接、各部屋の電気料金に含まれるのでオーナーや管理組合の負担が減ります。

 個別改善メリット②:各部屋の利用者ごとに料金が選べる

共有分電盤の場合、料金プランは従量電灯制にするのが一般的ですが、個別分電盤にすることで、利用者毎に料金プランの変更が可能となります。
特に3時間帯プランの夜間電力は半額近い割引の為、利用者にも経済メリットが大きく、充電時間のピークシフトにもなり電力不足問題にもつながります。
時間別電気契約の深夜電力の単価表

 個別改善メリット②:キュービクルやデマンドが不要

共有分電盤の場合、キュービクル又はデマンド無しで最大11基までしか設置できませんが、個別分電場からの配電が可能であれば、キュービクルやデマンドが不要になりオーナーや管理組合の負担が軽減されます。

今回の注意とポイント まとめ

選定方式
今回導入される選定方法は充電器1Kw当りの補助申請額が少ない順に選定されますので、「高額な機種」「配線距離の長い場合」「複雑な工事」などは補助申請額が高額になりやすいので不利となります。

期限
選定結果(採択)が12月上旬になる可能性があるようなので、工事完了して1月末の実績報告完了まで、およそ1ヵ月半とタイトです。
マンションなど集合住宅の場合、オーナー様だけでなく入居者様へのアナウンスや調整を含め注意が必要です。
・共用部分の停電作業でエレベーターや水道ポンプ停止で断水する場合もあります。
・駐車場の車を移動していただく必要があり出張など長期不在の確認などが必要です。
 (作業は出来ても車両が停まっていない状態での完了写真が撮れないケースが想定されます。)

今回は期間が短く注意点も多いことから初挑戦の方には厳しいかもしれません。
随時ポイントなどを投稿していますので、そちらもご覧ください。

魅力的なEV充電器補助金

集合住宅は施工が大掛かりになるケースが多い為、自費で導入するには大きな負担となります。
今なら、とても手厚い補助を受けることが可能です!
高額補助金は普及初期だけです。
普及が進むにつれ減額されたり対象者が限られていく傾向があります。
もしも、今、補助対象者ならば是非とも獲得して頂きたいと思います。

※小さな変更は他にもございますが、特に注意すべき大きな変更点をまとめました。
本記事は、2023年8月25日NeV発表資料と8月29日説明会の情報を元に解説しています。

参考資料、およびサイト

次世代自動車振興センター 予備分申請の手引きPDFはこちら

マンションでEV充電している写真、マンション向けEV充電器の補助金説明

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